標準予防策ではすべての患者が対象とされ、感染源の有無にかかわらず、汗を除く体液(血液、分泌物、排泄物など)、粘膜(眼球結膜、口腔粘膜など)、正常でない皮膚(褥瘡、熱傷など)には、感染性があるものとして対応する。その主な内容として、手指衛生(手洗い、手指消毒)、個人防護具(エプロン、マスク、ゴーグル、フェ-スシールドなど)の装着、患者に使用した器具の処理の仕方、清掃などの環境整備 、廃棄物やリネンの取り扱い、針刺し防止のための教育、安全器材の使用、咳エチケットなどが含まれている。伝播性が高い微生物による感染症と診断された(疑われた)場合には、標準予防策に加えて、感染経路別(接触、飛沫、空気)予防策を行う。すべての医療従事者が常日頃から標準予防策を遵守することが職業感染対策の観点からも重要である。針刺し・切創・体液曝露事例の対応、職員に対する予防接種などについても検討したい。 |